パソコンを購入しようと考えているけど、グラフィックボード(グラボ)が付いている方が良いのか、それとも不要なのだろうか。
グラフィックボードが何の役に立つのかわからない。
高額なノートパソコンやBTOパソコンを選んだ方が間違いないのだろうか。
グラフィックボードの付ける付けないにより金額がかなり変動します。
不要なら余ったお金で別のソフトウェアを購入することも可能なので、よく考えましょう。
グラフィックボードの必要性とコストパフォーマンスについてお伝えしますので購入時の参考にしてください。
グラフィックボードは必要なのか
グラフィックボードの必要性は使用するソフトウェアの種類に依存します。
たとえばパソコンで文章を作ったり、メール送受信、インターネットでお買い物をする程度の使用を考えているなら、グラフィックボードを装着する意味はほとんどありません。
むしろ宝の持ち腐れという結果になってしまいます。
お金は有効に使いたいね
以下はおおよそですが、使用場面とグラフィックボードの必要性についてリスト化してみました。
グラフィックボードをほとんど必要としない使い方
- 文章作成ソフト(Microsoft Wordなど)
- 表計算ソフト(Microsoft Excelなど)
- メールソフト
- インターネット閲覧
- プログラミング(Web作成など)
- ブログ作成
グラフィックボードがあれば便利な場面
- 写真編集ソフト(Photoshop・Lightroomなど)
- お絵かきソフト(Illustratorなど)
- HDクラスの動画編集
グラフィックボードを装備しておきたい場面
- 4Kクラス以上の動画編集
- 3Dゲーム
- コンピューター設計(CADなど)
グラフィックボードは映像をパソコンからモニターに出力する役割を持ち、ほとんどCPUに組み込まれています。
映像出力処理はすべてのパソコンに必要不可です。
グラフィックボードの歴史
当時はVRAMなどと呼ばれ、パソコン心臓部となるCPU本体に組み込まれた隠れた存在でした。
グラフィックボードは別名グラフィックカードなどとも呼ばれ、2004年あたりから製品化されました。
当時は複雑なパソコン用ゲームソフトなどなく、コンピューター設計をするためのCADソフトを用いるごく限られた使用でした。
eスポーツ(ゲームをスポーツととらえたもの)の始まりから、ゲームの内容は複雑になり3次元処理が重要になったのです。
ゲーム大好き!
このころからグラフィックボードの存在は一氣に注目を浴びはじめました。
2010年初頭を境に本格的なゲームブームとなり、ソフトウェアの発達とともに、グラフィック性能の向上も求められたのです。
以後グラフィックボードは、ゲームをスムースに処理できるかどうかなどゲーマーから性能評価を受けるようになり、その地位は大くなっていったのです。
グラボは映像をスムースにするんだ
つまりグラフィックボードは、立体的な映像(動画やゲームなど)をスムースに動かすために必要不可欠なパーツなのです。
WordやExcelを使いたいというだけならほとんど映像処理を必要としないため、装備する必要はありません。
グラフィックボードを付けると何が変わるのか
グラフィックボードは基本コンピューターで処理した映像を出力するパーツですが、3Dの映像を取り扱う際に動画をサクサク映し出す処理を担います。
アクション系ゲームではキャラクターが素早く動くので、残像を無くしたり、キーボードやジョイスティック等の動作にキャラクターがきっちりと付いてくるような処理が行われます。
もしCPU内臓のグラフィック処理で行えば、スムースな処理どころか背景は動いているのにキャラクターだけが固まって動かず、一方的に攻撃されてゲームオーバーとなるような状態が起き、ゲームを楽しむどころではありません。
映像がカクカクしている状態は、グラフィック性能に限界がある
全くゲームができないという現象に見舞われるのは、CPUがパソコン内で求められる全ての処理を行っているためで、映像処理はその一つに過ぎず処理が間に合わないことから生じています。
特殊な画像処理を担うグラフィックボード
そこでグラフィックボードという特化した画像処理パーツが登場します。
映像処理の命令が来るとグラフィックボードが全て処理してくれるので、複雑な映像処理も難なくこなしてくれるのです。
パソコン使用中は絶えず映像処理が行われているので、どのようなソフトウェアを使用してもモニターに映像を送り続ける以上、グラフィック処理は必須です。
ただ問題はその程度です。
3Dゲームのような過度な動画処理は、CPU組み込みのグラフィック処理では太刀打ちできなくなるので、専門に任せようというのがグラフィックボードです。
専門的な処理を担うパーツはグラボくらいだよ
グラフィックボードを付けると確かにグラフィック処理は早くなります。
悲しいかなその処理速度を体感的に感じられるのは3Dゲームや動画編集など性能が十分に発揮できる場面です。
つまりそれ以外のソフトウェアでは恩恵をそこまで味わうことはないのです。
動作処理は出力映像処理が必要だから、専門パーツに任せるほうがCPUにとって楽
動画出力処理に力を発揮
動画処理は編集後にJPEG4などへの出力を行う際のエンコードという作業があります。
CPU処理でも可能ですが、グラフィックボードに処理させるほうが早く終了します。
処理時間の違いが、たかが十秒や1分など書かれた記事もありますが、Youtubeなど多く動画発信を行う場合は、時間単位で違いが現れます。
エンコードできないグラフィックボードがあるので購入時は注意が必要!
グラフィックボードは購入後に付けられるのか
結論から言えばデスクトップパソコンの場合はほとんどの場合後付が可能です。
一方でノートパソコンの場合は後付はできません。
ただここで言う後付とは内蔵するための後付であって、かさばっても良いということであれば、ノートパソコンでも外付けを購入すればグラフィック性能を向上させることが可能です。
外付けはかさばるので、ノートパソコンの場合は内蔵型を購入するほうが楽
グラフィックボードを後付というのは、デスクトップでもノートパソコンでもすでにグラフィック処理をCPUが兼任しているという状態です。
したがって後付した際はグラフィックボードに映像処理を任せるという作業が必要となります。
具体的に言うと、デスクトップパソコンの場合はコネクタを後付したグラフィックボードのコネクタへ変更してあげること。
内蔵型でも付けたあとは、きっちりコネクタをグラボ側に変更しなければ意味がない
ノートパソコンの場合は(デスクトップパソコン含め)グラフィックボード用のドライバで映像処理をグラフィックボードに任せるという設定です。
特にノートパソコンの場合は内蔵されたものであっても、CPUがこれまで通り映像処理を行ってしまうので、グラフィックボード用ソフトウェアで映像処理を任せるようあらかじめ指定しておく必要があります。
グラフィックボードの購入ポイントは
グラフィックボードは映像処理にそれなりに負担がかかるので、一般的にファンを内蔵したパーツとなります。
一部、ファンレスと言って放熱のひだが多数ボードに取り付けられ、ボードから発した熱を拡散するタイプもありますが、ファンが内蔵されたボードはそれなりに処理効果が高いのです。
価格帯はピンキリで10万円以上のものもあれば、廉価タイプでは千円単位で購入可能なものもあります。
価格が高騰したから10万円台が多くなっています
ただ2021年以降の半導体不足による影響や、自動投資処理システム構築にグラフィックボードが使用され始めたことで需要が一氣に伸びました。
その影響もあってグラフィックボードの価格は想像を超えた高値となっています。
通常価格の1.5~2倍程度の金額に跳ね上がっていることもあるので、グラフィックボードが本当に必要なのかどうかを検証しておきたいものです。
気軽に購入できる価格ではないので、必要性をよく考えよう
チップセットはNVIDAI GeForceとAMD Radeonの2社から販売されており、これらをベースに各社から製品が作られていきます。
グラフィックボードメーカー
- ASUS
- GIGABITE
- MSI
- ZOTAC
- Palit
- ELZA
- 玄人志向
性能の上限は無いと言っても過言ではないので、求める性能を調べて購入することになりますが、それほど凝った3Dゲームをしない場合は、販売帯は少ないですが5万円前後のもので十分動いてくれます。
グラフィックボードは製品によっては電源を必要とするタイプがあり、手軽さの関係から補助電源なしの方がよく売れます。
【PR】グラフィックボードの中古品は大丈夫か
グラフィックボードは映像関係を司るパーツだけに、各人の使用によって耐久度が変わってきます。
フリマなどで出されている中古ボードは、販売者がどの程度使用していたのか、使用環境(ほこりっぽいところ・タバコを吸っていた部屋・ペットを飼っていた部屋など)はどうだったのかが不明な点が多いです。
中古品を購入するなら短期間でも保証のある専門店などの利用を
ファン付きの製品はホコリを吸ってしまうと基盤にホコリが溜まり、静電気の発生や場合によれば発火の原因にもなります。
また保証がないので購入後1ヶ月で故障しても諦めなければなりません。
そのためグラフィックボードは少し高くなっても、家電量販店やパーツ専門店などで新品を購入することをオススメします。
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